再び 市販のマウスピースについて

昨日の新聞に、東急●●●の一面広告が出ていたのですが、
その中に、睡眠にこだわるお薦めグッズ・・・として
マウスピースがでていました。

形状記憶できる素材で、簡単にマウスピースが出来るという商品。

これ、素人の人が見ると欲しくなっちゃうだろうなぁ・・と思います。

でも、私個人の意見を言うと、
これは、ぜったいに辞めて欲しいです。

スポーツ用のマウスピース(スポーツマウスガード)は、柔らかい素材で作ります。

でも、夜間使うマウスピース(ナイトガード)は、堅い素材でないとダメ
というのが現在の顎関節学会のはっきりとした見解です。

そして、ただ単に入れていれば良いというものでもなく、
普段咬む位置では、できるだけ全体が均等に当たるように。
さらに、歯を横にずらした時にもこういう風に・・・
という、ちゃんと確立されたノウハウがあるのです。

また、その調整は、その人の噛み合わせによって
例えば、歯並びの良い人、悪い人、出っ歯の人、など
人によって少しずつ変わります。

どこかで一度習えば、うまく作れるというものでもなく、
経験則にしたがっての判断が必要となる症例も多く、
結構奥が深いものだと私は思っています。

ちなみに中村歯科ではナイトガードを週に3~4個。
年間200症例くらい作ります。

また、ナイトガードを入れた患者さんには、半年に一回はリコールで来院していただき、
その都度、再調整していきます。

ナイトガード論は年々進化しています。
そのため私達も常に研修を受けて、進化しているつもりです。

そういう訳で、去年作ったものと今年作ったものは、微妙に違いますから、
リコールの時に、最新の理論に基づいたナイトガードになるように調整しているのです。

少なくとも、市販の、柔らかい素材で、
なおかつ ちゃんと咬合理論にのっとった調整が出来てないものを入れると、
かえって顎関節症を引き起こす危険がありますので、
できれば経験のある歯科医院で自分にしっかり合ったものを作る事をお勧めします。

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中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)