炒った大豆を噛んで歯を鍛える!?

今日おいでになった年配の患者さんで、
下の奥歯にヒビが入った方がおいでになりました。

えらの張ったお顔立ちで、いかにも噛む力の強そうな男性。
昔 神経の治療をして、金属の冠がかぶせてある歯です。

毎朝、健康のために炒った大豆を噛んで歯を鍛えています、とのこと。

これは、典型的な症例です。

神経をとって長年たち、弱くなっている歯に、継続した強い力がかかって根にヒビがはいったのです。

色々と説明をして、
とにかく堅い豆を食べていることは、もはや歯を鍛えるのではなく、壊しているのだから、
明日からは是非やめて頂くようにお話しました。

歯は、神経をとると、年々乾燥して、弱くなります。
たとえば 今が60歳だとすると、20代30代で神経をとった歯の場合、もう30年以上経っているわけで、
かなり危険なのです。

木に例えてみれば良く判ります。
木が枯れて10年もたってくると、大きな衝撃を与えるとポキっと折れる。
でも生きている木なら、少々の力で折れる事はありません。

歯もそれと同じです。
神経をとると歯の内部の血液循環がなくなるので、年々乾燥していきます。
乾燥すると、強い力に耐えられなくなるのです。

特に奥歯、大臼歯は60キロ以上の力がかかるので危険です。
小臼歯も根が扁平で細いのでこれまた危険です。

また、歯ぎしりがある人の場合も継続的に強い力がかかるという意味で
神経をとってしまった歯はヒビがはいる危険度大です。

こういう場合は、豆のみならず、スルメ、ビーフジャーキーなどもやめて頂きたい食品です。
歯を鍛えるつもりが、逆に壊していることになってしまったら大変ですから。。。。

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中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)