神経を取った歯は長持ちしにくい

毎月隔週で火曜日に行われる研修会(一年間コース)に夫婦で参加することにしました。

これはもう13年以上前から広島で行われている勉強会で、
私達夫婦も10年前に一年間通ったことがありましたが、
10年たつと医療も変わるし、私達の経験度も上がり(・・のはず)、
あの頃とは違った得るものがあるはず。
・・・と参加を決めたのでした。

第一回を受けて一番印象に残ったのは、
「神経を取った歯は長持ちしにくいこと」についての講師の先生の姿勢でした。
この話題は、10年前にはほとんど取り上げられなかった と記憶しています。

「神経の治療をして20年経った歯は、何らかのトラブルが出ると思っていなければならない」
と明言されました。

先月インプラントの勉強会に行った時も、
講師の先生方が「神経を取った歯は10~20年経つと根の破折がおこり始めること」
について語っておられましたが、
今回もかなりの時間 このことに関連しての話が広がりました。

私達も 以前はこのことをそれほどは意識せずに治療計画をたててきていましたが、
今では神経を取った歯の予後について十分な検討をしないといけないことを、
日々の臨床の中で感じ始め、よく夫婦の会話に上がっていましたし、
また、同業の友人達とも話をしていました。

それと同じことを、この講師の先生も、この10年で感じられていた。
この先生でさえそうなんだ・・・と少し安心?したとともに、
今後はさらに注意を払わねば、と思った次第です。
複数の講師陣が、年月を 「10~20年 」 と区切ったことも特徴的と思われました。

10年前は私達も、そして同年代である講師の先生も、まだ15年程度の臨床経験。
しっかりと、まじめに根の治療を行えば、予後はほぼOKとされていた時代でした。
根の治療法も、父親たちの時代のやり方とは変わり、
緊密に精緻に行うのがスタンダードになっていたのですから。

しかし、そこからさらに10年経った今、新たな課題を多くの歯科医達が感じ始めているということでしょう。

患者さんには、ぜひそのことを理解していただけるよう、
説明をしていこうと思っています。
また 患者さんは、できるだけ神経を取らずに済むよう、
早期発見、早期治療を心がけていただければ、と思います。

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中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)