親しらずの抜歯 難しい症例
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読んで得する歯のはなし下顎の親しらずは斜めに生えてくることが多く、
抜歯するのが大変なことはよく知られています。
親しらずなら何でも抜歯するわけではなく、
まっすぐに生えていて、周りの歯に悪影響がなければ、
抜歯する必要はありません。
しかし、たとえまっすぐに生えてきても、
写真のように後ろ半分が歯肉に埋まってそれ以上は得てこない場合は
歯肉からバイキンが入り込んで炎症を起こしやすく、
腫れたり痛んだりすることがあります。
その場合はやはり抜歯、ということになりますが、
上の写真のように、その親しらずの根が二股にはっきりと分かれ、
ましてやその眼が曲がって、骨を抱き込んでいるような場合の抜歯は、
その歯がたとえまっすぐに生えていても、抜くのには時間がかかります。
この写真の場合は、レントゲン像から
親しらずの根が「下顎管」という下顎全体の神経にかかわる太い管に近いことがわかりますので、
一見まっすぐに生えているように見えても、実はかなりの「難症例」なのです。
難しい親しらずを抜歯した後は、多くの場合大きく腫れ、
その腫れが約1週間続きます。
抜いた後の穴がきれいに塞がるのは、通常1か月以上かかり、
さらにそこの骨が元通りに戻るには3か月くらいかかります。