ためしてガッテン 隠れ虫歯は唾液で治る

昨日のNHKの「ためしてガッテン」は虫歯特集だった。

こういう番組が放送された後は、必ず患者さんから質問がでる。

案の定、今日「先生、NHKで虫歯は削らなくても唾液で治るそうですね」という方がいらした。

あの番組構成では、素人の人がそういう風にだけ理解しても仕方がないよね~。

たしかにためしてガッテンでは「隠れ虫歯は唾液のカルシウムで再石灰化する」と言っていた。それは正しい。
でもそれは別段最近になって初めて判ったことではない。
そんなこと、30年以上前から歯医者にとっては常識である。

食べ物をだらだら、ちょこちょこ食べると虫歯になりやすいことも、初期の虫歯なら削るより様子をみていくことも、すべて正しいが、べつにそれも新しい発見ではないのである。歯科では昔からの常識。

番組ではちゃんと「隠れ虫歯は唾液で修復しますが、穴があいてしまった虫歯は、唾液では元に戻せません」とテロップを流していた。
ただし、画面の下に、小さな字で、ちょことだけ。それも無言で。

TVって、これだから片手落ちだ、といつも思う。
番組を面白く、興味深く観せるために、素人うけしそうなことだけをやたらクローズアップさせたり、不安をあおったりする。
きっと取材の中では、取材された歯科医師はもっといろんなことをしゃべっているのだろうけれど、番組を作るうえで都合のいいところだけを編集するのではないか?

これからしばらくこの手の質問が増え、本当に削らなくては治らないような大きな虫歯をもつ人も「TVであいうふうに言っていたから」と治療に協力してくれなくなるのだ・・・・。はぁ~。

ちなみにTVで見せていた「日本にまだ数台しかない初期の虫歯を探す光が出る器械」は、同じものではないけど、レーザーを使ったもので、もっと性能が良く、虫歯の状態を数値で現せる器械が だいぶ前からちゃんとあります。
その器械の名は「ダイアグノデント」。
もちろん当院にもあり、毎日活用しております、はい。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る
中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)