アナフィラキシーショックがおきてしまったら

中村歯科は、上唇小帯や舌小帯の形成手術の紹介先になっていることもあり、
生後6カ月から1歳前後の赤ちゃんの手術が週に5件くらい、
多い時は一日に2症例もあることがあります。

昨日の舌小帯の形成手術の赤ちゃんを手術するにあたり、
術前に鼻の穴に手術で使う麻酔薬を塗ったのですが
(これはこの手術の前には全員にさせていただきます)
5分もしないうちに、その子の顔に赤いまだらが出ました。

これは、この麻酔薬に対するアレルギーがある疑いが大です。
いわゆるアナフィタキシーショックを起こす可能性がきわめて高いのです。

当然、手術はとりやめました。

先日も広島市歯科医師会の主催で「救急医療の研修」があり、
救急医療の理論や心臓マッサージや人工呼吸の実習をうけてきました。

アナフィラキシーショックをおこすと気管の中の粘膜が腫れて窒息するおそれがあるのですが、
その講義でも アナフィラキシーではやはりまず、皮膚が赤くなるのがシグナルだということでした。

アナフィラキシーショックはそうそうおこることではありませんし、
事実 父も主人も私も同業の友人たちも アナフィラキシーを起こした患者さんに遭遇したことはありません。

でも理論上 アナフィラキシーは普通の飲み薬や予防接種でも起きる可能性はあるわけで、
私は赤ちゃんの手術をするときには、かなりこのことに気を使います。

手術時は手が届くところに、必ずアドレナリンの注射を用意しています。

アナフィラキシーショックの時は、「まずアドレナリン注射」・・と言われているからです。

2年ごとくらいにそのアドレナリン注射の使用期限がきて、廃棄、新しいものを購入しなおし、
その費用が無駄になりますが、
ずっとこの嬉しい無駄が続いて欲しいと願っています。

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中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)