ファンギゾンのシロップは歯周病に効くでしょうか?

このところ、●●は効果があるやなしや・・・のコラムが続いていますが、

真菌(カンジダ菌)に効くという ファンギゾン のシロップ、

または アンホテリシンB でうがいをする民間療法は効くでしょうか?

 

これに対して 歯周病学会が出している答えは明確で NO です。

 

そもそも真菌(カンジダ菌)が歯周病の原因という論文は存在しないのだそうです。

 

歯周病は グラム陰性桿菌 が原因です。

その中でも、特に Pg菌、Tf菌、Td菌、Aa菌 が悪さをすることが証明されています。

 

これらの歯周病菌は 「酸素を嫌うタイプの菌」。

でも真菌(カンジダ菌)は 「酸素が好きな菌」。

そして、歯槽膿漏の人の歯ぐきの中(ポケット)は 酸素がない環境です。

 

また、歯周病の敵は「プラーク」ですが、

歯周病菌と真菌は一緒にプラークを作りません。

 

ですから真菌(カンジダ菌)だけをファンギゾンやアンホテリシンBでやっつけても、

歯周病菌が生き残っていたら歯槽膿漏はちっともなおらないのです。

 

ちなみに、歯周病菌といわれる上記の菌に効く薬剤は「ジスロマック」です。

 

中村歯科でも、ひどい炎症をともなう歯槽膿漏をとにかく早く抑え込みたいときは

このジスロマックを処方しています。

 

ジスロマックは3日飲むと一週間効き続けるという特殊性もあります。

しかし、胃の弱い方にはむきません。

 

そして何よりも、毎日の正しい歯磨きがベースにないと、

何を使っても根本的に治りません。

 

楽して治る魔法の薬は 今のところないようです。

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中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)