矯正治療を始める最適な時期

小学校1年生のころになると、前歯が永久歯に生え変わってきます。

顎が充分に成長しなかった場合、
または親からの遺伝で、歯が大きく、顎が小さめだった場合、
永久歯がねじれたように生えてきます。

歯並びは綺麗に。。。と思っておられる親ごさんは、
「これは大変!」
とばかりに矯正治療の相談をされるのがこの頃です。

しかし、矯正治療は早く始めれば良い、というものではありません。

一般的には 上下の前歯4本が生え変わるのを待ちます。

2本くらいがガタガタしているようでも、
前歯が生え変わる7歳くらいまでは、その部分の骨の成長は続きますので、
前歯4本が生え終わるころには意外とマシになることもあります。

ただし、上と下の対向関係が一本でも逆咬みになった場合は
早めに治す方が良いとされています。

反対咬みになった場合、
親ごさんのいとこくらいの間柄で、反対咬合の方がいる場合は、
「遺伝あり」と判断します。
この場合は早くから手をつけても後戻りする可能性が大きいので、
将来(高校生くらい)手術症例になるかどうかを慎重に観察していきます。

いずれにせよ、早く手をつけすぎると、
永久歯がすべて生え変わるまで、ずるずると装置をつけていなくてはいけなくなり、
本人のストレスも大きくなりますし、
虫歯のリスクも増え、
また、余分な治療費もかかり、良いことはありません。

隣の●●ちゃんが小学1年生から装置をつけたからうちの子も、
と言う発想はしてはいけません。

その子その子の症例によって、治療を始める最適な時期や方法は、十人十色です。

取り外しの装置、裏側だけに着ける装置も、
その装置だけで終了できるのでない場合は、
よほどメリットがない限りは、慎重にその必要性を検討するべきでしょう。

転勤族で、治療の途中や経過観察中に転地する可能性がある場合は、
中学生になった頃(この頃に永久歯が全て生え変わります)に
同じ土地で二年以上暮らせることを見極めて、矯正治療を始めるのが良いと思います。

治療途中で担当医が変わると、微妙に治療方法、方針が変わり、
治療期間にロスが出ますし、
費用も余分にかかりますから。

いずれにせよ、信頼できる、良心的な、矯正専門医に相談されることが大切です。

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中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)