親しらず(智歯)の抜歯 抜きにくい症例

親しらず(智歯)の抜歯は大変・・・とよく聞くと思います。

症例によって、その抜きにくさ、すなわち抜歯の難易度は大きく違うので一概には言えませんが、
現代人は顎が小さいので、下の親しらず(智歯)は埋まっていることが多く、
そうなると、歯肉を切って、回りの骨も削って、さらに歯は半分に切断して抜歯する
・・・という大がかりなことになりがちです。

まあ大がかり、と言っても麻酔してから歯肉を縫い終わるまで、40~50分。
割と簡単だったら20分くらいで済むこともあるのですが、
下の顎の智歯の近くにはリンパが多いので、だいたい大きく腫れます。

そして、いったん腫れると一週間くらいはその腫れがひかないことが多いです。

完全に骨の中に埋まっている親しらずはもちろん抜歯が大ごとになりがちなのですが、
まっすぐに、口の中にちゃんと生えていても、
上の写真のように根っこが内側に曲がっていて、
根と根の間に骨を抱きかかえているような場合は、なかなか容易ではありません。

また、その根が下あごの神経の総元締めの管(下歯槽管)に接していると、
抜歯後に麻痺がのこることもあるので、注意してレントゲンを診ていきます。

そんなわけで、下の親しらずの抜歯は大変なイメージがあるのはあながち嘘ではありませんが、
上の親しらずではそのようなことはなく、
あっという間に抜歯できますし、術後の痛みもほとんど出ませんので、心配いりません。

その親しらずがそこにあるがために、
手前の歯が虫歯になりやすくなっている場合や、
親しらずが奥から手前に向かって押すように生えてきているばかりに、前歯の歯並びが悪くなりそうな場合、
等では、抜歯をした方がよいことが多いです。

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中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)