患者さんのことを本当に真剣に考えています

小さい時から中村歯科に通ってくれているAちゃん。
大学生です。
このたび前から数えて4番目と5番目の歯(小臼歯)が虫歯になりました。

実は 小臼歯は微妙な歯です。

笑った時に、見える範囲。
でも前歯ほど目立つわけではありません。

ここに大きな虫歯を作ってしまうと、場合によってはかぶせものをしないといけませんが、
保険で作る臼歯のかぶせものは強度が弱く、
長い目で見た時には あまりお薦めではありません。

丈夫で、なおかつ白くきれいにというと、自費で治すことになりますが、
結構高額です。

詰めものですむ場合も、
保険の銀色のものは、笑った時に「キラ~ン!」と光ってちょっとカッコ悪い・・・。

じゃあ、保険で、白い詰め物はできないのか?

できます。

できるんですが、保険の白い詰め物はプラスチックですから、
その強度には おのずと限界があります。

無理に保険のプラスチックを詰めると、すぐに欠けてきたりします。

プラスチックですむのか?
銀歯にしないとだめなのか?
はたまたかぶせないとダメなのか?
自費か、保険か?

このあたりの判断は、その人の歯並び、噛み合わせの歯の状態、
顎の動き、歯ぎしりがあるかどうか、神経がある歯なのかどうか、
などなど、たくさんの条件を考慮して診断しなくてはいけません。

それぞれの材料には長所短所があり、
どの材料を使うかで、削る量や形も違いますから、
それらを説明したうえで、患者さんに選択してもらうことになります。

前述のAちゃんの場合は、自費で治さないといけないかどうか微妙なラインだったので、
お母さんにも状態を説明して決めてもらうことにしました。

そうしたらお母さん曰く
「先生、先生のお子さんだったら自費で治すでしょう?
だったらうちの子も自費でいいので先生の子供のつもりで治してください」
とパシッとおっしゃいました。

「いえ、お母さん、ちょっと待ってください。
何でもかんでも自費で治せば良いってもんでもないんでご相談しているのです。

虫歯が小さな範囲ですんでいれば、自費で詰め物をするよりも、
保険のプラスチックですます方が削る量が少ないこともあるのです。

中村歯科のポリシー・・・というのを待合室に掲示していますが、
あれ、「かっこつけ」ではないんです。
私達夫婦は、本当にそれぞれの患者さんのことを真剣に考えているのです。
だから、どの子の時も、「もしこの子が自分の子供だったらどうするか?」と本当に考えて治療してるのです。
Aちゃんの歯が自分の子だとしても、この症例は何を優先するかで迷うケースなのでご相談したのですよ。」

・・・というような会話の結果、
一本は保険のプラスチックで、一本は自費の白い詰め物で治すことに決まりました。

私達は、いつも、どの方にも、「これがもし自分の家族の歯だったらどうするか?」
という気持ちで治し方を考えて、ご提案をしているつもりですが、
歯の治療はどうしても 「何の材料で治すか?」 によって保険と自費の選択肢が出てきてしまいます。

ていねいで、誠実な診療を心がけていますが、
材料自体の違いは致し方ありません。

こと小臼歯一本を治すにも、上記のようにいろいろな選択肢がでてきますので、
それぞれの長所、短所をよく判って頂いたうえで、
納得した治療を受けて帰っていただければと願っています。

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中村歯科ブログ(広島市南区皆実町)