中国地区歯科医学大会にて
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読んで得する歯のはなし今日は年に一回の中国地区の歯科医学大会でした。
今年は 長寿社会において患者さんのためになる医療 がテーマで、
いろいろな発表がありましたが、
なかでも静岡県の米山武彦先生の実践しておられる高齢者の口腔ケアについてのお話が印象的でした。
時代は長寿
・・・ということで、高齢者、とくに施設に入っている方の口腔ケアを実践することで、
老人に多い「肺炎」を防げることは、今や歯科医療の世界では常識になりつつあります。
週に一度、プロが歯ブラシをしたり、口の筋肉や、頬、舌の適切な運動を促してあげると、
自分で食べられなかった人が 半年後には自分で食べられるようになる多くの例や、
体全体の細菌数が減り、風邪をひきにくくなることなどが、
きちんとしたデーターでしめされました。
老人施設に足を運んだことのある方なら判ることですが、
残念なことに、施設には入所者の「口臭」で、独特の臭気があります。
それも、口腔ケアを徹底してさしあげることで 顕著に改善できるのです。
当院でも訪問診療で口腔ケアをしている患者さんがおられますが、
確かに一週間に一回でもプロの手が入るのと入らないのとでは、
患者さんの口の中の状態は全然違ってきます。
米山先生という方は昔からその「人となり」の素晴らしい方でしたが、
高齢者医療の第一人者になられた今、さらにそのご人徳のすばらしさがその言動ににじみでておられました。
患者さんとは 「医療人」としてよりも「人として」向き合う・・・というその真摯なご姿勢に、
まさに医療人はこうあるべき、と感銘をうけました。