TVドラマ「仁」などの時代考証家 山田順子氏の講演会
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ブログ歯科医師会の主催で、時代考証家の山田順子氏の講演がありました。
この方は、TVドラマ「仁」などの時代考証もされたこの世界の第一人者なのだそうで、
今回は、ご自身が広島市のご出身で、お祖父様、お父様が歯科医師だったことから招かれたようでした。
時代劇の現場の面白い裏話がたくさん聞けて、あっという間に時間がたちました。
山田氏によると、
今時の俳優さんたちは男女ともに背が高く、手も長く、
今まである衣装の着物サイズでは合わないため、新調するのですが、
それも一反では足りず、2反使わねばいけないこと。
(竜馬の「福山雅治」などは言うに及ばず、「綾瀬はるか」なども2反必要だったとか・・・)
日ごろ私たちが当たり前のように使っている
「自由」 「責任」 「犯人」 という言葉も、
明治になって福沢諭吉らが西洋の文献を訳す時に 必要に迫られて作った造語であり、
時代劇の脚本ではそういう言葉は出てきてはいけないこと。
竜馬伝で出た「桂が浜」にそっくりの浜が茨城県にあり、
桂が浜のシーンは、その茨城で行ったこと。
お歯黒が必要な時は、それ用のメーク道具があり、
それは歯に塗ってしゃっべても取れないけれど、
歯磨き粉をつけると落とせるようになっていること。
今の若いスタッフは、トマトが昔からあったと思っている人もいて、
武家の庭の畑にトマトを植えてあるセットを作ったりして
あわてて違う作物に取り換えさせたりすること。
などなど・・・
数え切れないほどの 「へぇ~~」 がありました。
それにしても、江戸時代に 「自由」という概念がなかったのは判りますし、
「犯人」 という言葉の江戸版は 「下手人」 だろうと想像できますが、
「責任」という言葉がなかったとは・・・。
しかし江戸時代にこそ「責任」という概念はおおいに存在したはずで、
ではその言葉が何だったのか、
気になるところです。
(質疑応答の時間に質問しなかったのが とても悔やまれます。)
ちなみに、春から続編が放送される「仁」も山田氏が時代考証担当らしく、
ドラマは前篇とは少し違うテイストになるということでした。
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氏の時代考証については、以下など多数あります。